終わる事のない課題に挑み続けた男…の話
あ、どーも!
イラストレーターのてるやんです。
皆さんは、生涯挑み続けようと思っている事ってありますか?
所謂「生きがい」とか「ライフワーク」と言ってもいいと思うのですが、正直なところ、僕はまだコレだ!と言うモノを見つけられていないのかもしれません…
(最近はこのブログがそうなってきている様な気がしていますが)
そんな、ただでさえ見つける事が難しい(僕だけ?)「ライフワーク」を、
「決して終わる事のない課題に挑戦し続ける事」
にしてしまったアーティストがいるんです。
彼の名はアルベルト・ジャコメッティです。
アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti, 1901年10月10日 - 1966年1月11日)は、スイス出身の20世紀の彫刻家。
ジャコメッティはおもに彫刻家として知られるが、絵画や版画の作品も多い。第二次世界大戦以前にはシュルレアリスムの彫刻家と見なされていたが、もっともよく知られている作品群は、大戦後に作られた、針金のように極端に細く、長く引き伸ばされた人物彫刻である。これらの作品はしばしば実存主義的と評される。スイスのイタリア語圏の出身だが、主にフランスで活動した。
(引用「アルベルト・ジャコメッティ - Wikipedia」)
ジャコメッティ展
先日、ひょんな事から国立新美術館で行われていたジャコメッティ展に行って来ましたので、皆さんにもオススメしたい所なのですが、行った日がちょうど最終日だったので既に終了してしまいました…すみません!(汗)
そんな「ジャコメッティ展」で僕が感じた事を、皆さんにも少し聞いて貰いたいと思って今回の記事を書く事にしました。
「見えるものを見えるままに描く」
芸術家の父の傍で、幼い頃から芸術に触れていたジャコメッティが18歳頃にぶち当たった人生最大の難題がこの「見えるものを見えるままに描く」と言う事なのです。
僕はコレを最初に聞いた時は、どういう事?って思ったのですが、解説をさらにざっくりとお話すると…
何かをモデルにして「見えるものを見えるままに描こう」としても、その物体と自分の間に生じてしまう距離よって、絵がどうしても「実物大」ではなく小さくなってしまう。と言う事のようです…うーん。
じゃあ、それを見越して大きめに描いて実物大にしようとすると、今度は「見たまま」ではなくなってしまう!と言う事でしょうか。
この難題にぶち当たったジャコメッティは大きさの概念を喪失して行ったそうです。
しかし、そんな困難がジャコメッティのその後の作品に様々な影響を与えて行く事になるのです!
数センチ~数メートルに及ぶ彫刻作品
ジャコメッティはその後の彫刻作品でもその難題に挑み続けています。
その結果、同じ「人間」(モデルは別な事もありますが)をモチーフにした彫刻であっても、ある時期では数センチの小ささになり、ある時期では数メートルにも及ぶ大きさになったりします。
更に、ジャコメッティの彫刻作品には大きさだけでなく、形にも様々な特徴をした作品が多く存在します。
ある時期ではシュルレアリズムの影響を受けた作品を。
またある時期ではキュビズムの影響を受けた作品を。
そしてジャコメッティの代表作とも言える長ーい彫刻などなど。
これも「見えるものを見えるままに」を形にも追及し続けた結果なのでしょうか。
しかし一方でジャコメッティは、この「見えるものを見えるままに」と言う難題が「一生解決する事は出来ない」と言う事を理解しながら、それでも生涯これに挑戦し続けていたと言うのです!
「これがアーティストか!」
と、僕はなんだか気が遠くなる様な衝撃にも似た感動を覚えたのでした…
まとめ
そんな訳で、「終わる事のない課題に挑み続けた男」ジャコメッティが、どんな気持ちでこの作品達を作っていたんだろうな~と想いを馳せながら、展示会を楽しんで来ました。
いつかは僕も「一生の課題」と呼べるような「ライフワーク」を見つけたいなと思いました。
最後に、ジャコメッティ展で3点だけ撮影が許可されている作品があったので、そちらの写真をお裾分けとして掲載したいと思います!
ではでは、今回はこの辺で!